Xのタイムライン(おすすめ)を眺めていたら、官報掲載の決算公告を引っ張って紹介するポストが目に留まった。まあ普段もよく見かけるアカウントなんだけど、紹介されていた企業がDetonatioNだったのでちょっと気になった。
DetonatioNはeスポーツチーム「DFM」としてスト6やLoLのチーム運営で有名で、eスポーツに関心のあるゲーマーなら大抵知っているところである。
eスポーツチームの運営はマネタイズ面で不安定・不確立な部分が多く、儲からない業態だと自分は思っているが、そういえば自分の目でちゃんと業績を確認したことは無い。偏見もかなり含まれている自覚があるのでこれを機会に実数を見て勉強してみようと思った。
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非上場企業なのでこちらで詳細に見られる損益計算書は無く、官報に載っている超ざっくりした貸借対照表と当期純利益/損失、あとは親会社のGameWithのIRからこれまたざっくりしたPLを見る ぐらいの情報しかない。
その2つから3期分をまとめると
2024年5月期の売上6.61億 1.26億の赤字 純資産▲1.61億
2025年5月期の売上5.00億 2.02億の赤字 純資産▲3.63億
2026年5月期の売上9.46億 0.02億の赤字 純資産▲3.65億
という感じだ。
まず、純資産が▲3.65億…ってめちゃめちゃ債務超過やないかい!累積赤字が純資産を食いつぶしてしまっている。しかもこの債務超過、官報は5期前までの情報しか載ってないけど、その時点から超過している。
こんなに長い間債務超過しながら赤字が続いた場合、普通は破産している。が、親会社から借り入れをしているので普通に営業できている。異様に映るかもしれないけど、成長を期待している企業・業態だとそれなりにあるケースだと思う。まあ5期連続債務超過は計算外だとは思うし、予定より上手くいってないだろうとは思う。
財政状況はずっと深刻というか余裕でアウトなんだけど、直近の赤字がかなり抑えられているのは良いことだ。売上も前期5億から9.5億にほぼ倍増している。売上伸びて赤字圧縮、は相当いい見え方になる。
直近のGameWithの決算説明資料を見た感じだと、増収と赤字圧縮は大会賞金が大きく寄与してるっぽく、なんと前期に比べて10倍以上の賞金だったらしい。
競技チーム運営なので賞金を得ることは本業の1つかもしれないし、賞金で潤うことはもちろん良いことである。が、業績や赤字圧縮要素としてはイレギュラーの部類になるだろう。再現性があるものとして扱えないからだ。ネガティブな見方をするなら、前期より10倍の賞金があって200万の赤字なので、自力(再現性のあるものという意味で)による営業改善はまだまだ必要そう という感じかな。
ただ、スポンサー収入は前比+59%、タイアップ前比+97%ということで、本業のほうも伸びている。これも良い材料だ。
何年も極めて厳しい経過だったけど、直近はギリ踏みとどまれるような、プチ明るい決算だった というまとめになるだろうか。
ちなみに親のGameWith自体は無借金経営っぽい上に、自己資本がしっかりある会社だ。が、年商40億の会社で億単位の赤をコンスタントに出してくる子会社があるのは普通に重荷だろう。直近のDFMの決算は成長していると言えるが、もし2期前のような状態に戻ったら目も当てられない。
債務超過のDetonatioNが潰れていないのは親会社への借り入れがあるからであり、借りてるものはいつか返すか、会社の価値を上げて別のところに売られる を目指さなくてはならない。
今期はわりと重要で、売上を維持もしくは伸ばすことができるか が最重要項目になる。
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予想していた「eスポーツチーム運営は儲からない」はおおむね合ってるけど、「成長」を見越して投資を受けるタイプが基本 ということも分かった。続いて別の会社を見てみよう。
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eスポーツチームSCARZを運営するXENOZ、
2024年2月期の売上2.60億 1.84億の赤字 純資産4.61億
2025年2月期の売上2.67億 2.21億の赤字 純資産2.94億
2026年2月期の売上2.18億 1.65億の赤字 純資産0.91億
[親会社による予想]2027年2月期の売上4.25億 1.29億の赤字
う~~ん、めちゃくちゃ厳しい!
DFMと違って債務超過では無い。が、運転資金に純資産を充ててるようで、数年前に子会社になった(自社株を売った?)時に発生したであろう資金がどんどん目減りしており、今期はその資金が底をつきそうである。
おそらく近いうちに親から借り入れるか、株をさらに売って増資を受けるか、見切られて事業縮小/精算に向かうか という分岐が発生する。
なによりヤバいのが直近の売上が下がっていることだ。赤字はともかく、「成長していない」は投資する意義が薄れる。
しかしこの売上でこの赤字額はさすがに悪すぎるね。販管費の中身どうなってるんだろう。
あと気になるのは今期の売上予想だ。直近で売上が5000万円下がってるのに、どうやったら1年で倍になる予想になるんだ?材料はあるのか?と疑問に思ったので、遡って過去分の売上予想も見たら、なかなか衝撃だった。
親会社による予想は、ただのどんぶり勘定であった。
過去分の業績説明資料を見る感じ、毎回同じパターンである。「非常に強気な売上増見込みで、なんとなく赤字も多少圧縮しますよ」をいつもとりあえず書いてるだけ。根拠など無かった。株主総会で突っ込まれてもおかしくない適当ぶりだし、毎度の大幅未達だ。
つまり、「売上2~3億の子会社の業績はステークホルダーにとっても関心が無いでしょ」、ということでは?まあ実際、そうなんだろうな…
なんたって親のJフロントリテイリングは総額売上高1兆超えの大企業であり、毎期数百億クラスの純利益、自己資本も潤沢の超優良経営だ。XENOZが毎期出す2億弱の赤字は大したダメージにもならない という状況もある。
また、親のJFRは1年半前に4.35億ののれん減損を計上している。要は「XENOZは期待していたほどじゃ無かったですわ」という会計処理を完了しているのだ。その中で債務超過入り目前、ちょっと震えるね。
ということで、XENOZの状況は非常に悪いように見える。「黒字かつ、成長している」「赤字だけど、成長している」「赤字で、成長していない」の3つのうち、最後のやつだ。
状況的に、今期中に動きがあるのは確実だ。果たして運命やいかに。
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次はREJECTだ。
REJECTは官報で2024年7月期までの情報しか無い。また、上場企業の子会社とかではなく単体の企業なのでDetonatioNやXENOZと違って大まかな損益情報も手に入らない。なので2年前までの数字と、現時点までのプレスリリースなどで「想像」するしか無い という感じ。
一応2年前までの状態を確認すると、利益剰余金マイナス6億7000万、純資産が3000万だ。
ここもまた毎期赤字で、財政状況は完全に火の車である。コンスタントに小さくない赤字を出して、純資産は雀の涙で間もなく枯渇する…という見え方である。数値的にはXENOZに似ている。売上規模や増減は全く不明だけどね。
が、これらは全て2年前の話であり、そして単純にこのまま燃えて沈む船かというと、そういうわけでも無さそう。
DetonatioNやXENOZと違うのは、さっきも書いた通り単体の企業であること、そして第三者から(REJECTの事業規模としては)大規模な資金調達をコンスタントに行ってるっぽい ということだ。資金調達を前提の赤字および財政状況、となれば話は違う。
毎期赤字ではあるけど、資金調達をして事業拡大をしているようなお金の動きは明らかにスタートアップ的だ。将来性が無ければお金を引っ張ってこれないので、出資側から一定の評価を受けていそうである。DFMは親会社から輸血されないと死んでしまうが、REJECTは親でもない第三者から投資されている企業だ。この違いは結構大きい。さらに投資陣営が伊藤忠・三菱・オリックスなどの錚々たる面子なので、精査の上に将来性あり と見られている可能性は大きい。
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一言でざっくりいうと、
・DetonatioN(DFM)
厳しい。直近は成長のある決算だが、ずっと債務超過している。大会賞金に依らない黒字化が急務では
・XENOZ(SCARZ)
めちゃくちゃ厳しい。売上減少かつ赤字。今期で資金が底をつく予想なので分岐点
・REJECT
分からない。常に赤字ではあるだろうけど、売上をどれだけ伸ばすか の段階
という感じかな。もちろん全部憶測ですけどね
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う~~ん、この感じだと、「eスポーツチーム運営という業態は基本的に厳しい」という見方になるんじゃないかな。
他のeスポーツチーム運営企業、FENNEL・VARREL/CELLORB・SBI・REIGNITE・SENGOKU GAMINGなどを見てみたが、REJECTと同レベルあるいはそれ以下の情報しか手に入らなかった。取得できる決算情報が2~3期前だったり、統廃合・買収されて最新情報を追いづらくなったりなど。
ただ、見える範囲の情報だと営業利益があるところはほぼ無く、基本的に営業損失および純損失だった。
この状況を見る限り、
「eスポーツ事業は、チーム運営のみでは採算が取れない」
という1つの不文律が出来上がっていると思う。この不文律は、おそらく現時点の主要なeスポーツチーム運営企業は承知しているはずだ。
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希望になりうるのは、REJECTがスタートアップ的に成功するケースが発生することと、ZETA DIVISION運営のGANYMEDEの存在かな。
GANYMEDEはeスポーツチーム運営としても大手だけど、チーム運営自体をブランディングの一環として扱い、それを動力にしてポートフォリオを拡大して利益を得る形を採っている。要は工夫があるのだ。
4年前にVALORANTで世界3位を獲ったことでブランディングが成立し、そこからの4年間はその効果を最大化することに注力した。競技に固執するのではなく、ブランドを活かした物販・タレントを使ったファンビジネス方面に広げたのだ。おそらく今は競技で大きくペイすることにあまり重点を置いていない。もしかしたら広告費の感覚ですらあるかも。けど競技にしっかり取り組まないとブランド力が落ちることも十分に理解しているだろう。
GANYMEDEのスタイルは「競技チーム運営のみでは成立しない」という不文律に対して、模範的なアンサーの1つになるだろう。インタビューによると、手元資金で事業を行い、その利益で次の事業をまわしているらしい。本当ならまさに希望だ。
ただ競技チーム運営とは全く別のノウハウが要るし、専門的スキルを持ったスタッフを雇用する誘引力も必要だ。それこそ魅力的なブランド価値を創出し続けないと、強いタレントも引っ張れない。おいそれと真似できるものでは無い。eスポーツチーム運営企業にとっては希望でもあるし、絶望を叩きつけてもいそうである。
で、REJECTもGANYMEDEと同じ方向性だと思う。競技で存在感を示し、ブランディングし、ブランドを商品化する形だ。違いがあるとすればGANYMEDEはベンチャー的で、REJECTはスタートアップ的だ。REJECTが加速度を伴った成長が出来るのかどうか、今後が気になるところだね。
あ、CRも同じだ。あそこもうまくいってそうではあるが、CRは通常の資金調達や借り入れというルートじゃない界隈に居そうな雰囲気があるのでちょっと例外かも。
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割合でいうと、eスポーツチーム運営企業の5割は金持ちの道楽、4割は金持ちじゃないのにやってて先行き不透明、1割はガチでやれそう ぐらいの感じかな。めちゃくちゃ肌感だけど。
出資側でいうと、数年前の「eスポーツ事業が爆伸びする」という期待感で参入たのはいいものの、今ごろは頭を抱えている出資者が大半を占めているのではないだろうか。
個人的には、「いくら成長を期待する新時代の事業とはいえ、どこもかしこも赤字過ぎない?」という感覚が強い。事業規模に対して出す赤字が大きすぎるんだよな。で、その赤字額ならもっと売上はドカンと伸びなきゃおかしいでしょ と思う。
いや畑が違うので自分の感覚が正解とは思わないんだけど、それにしてもねえ…という感じ。黒字を出しながら成長して投資を受けるケースが一切見当たらないのはめちゃくちゃヤバい。
業界が走り始めた当初からブルーオーシャンどころか、海自体が無かった可能性がある。海かと思ったら、ただの水たまりだったのかもしれません。
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ということで、eスポーツチーム運営は儲からない。が、ちゃんと工夫すればどうにかなる未来もあるかもね という感触を得た。
同業他社との競合・競争というより、純粋に経営手腕やコンテンツ力の勝負の世界っぽい。そしてその難易度がそれなりに高い。
つまりは、残るべきところは残るだろうし、残らないところは残らない。加熱期はとっくに過ぎていて、マーケット的な後押しはあんまり無い。3~4年後、どんな状態になっているのやら!
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the band apartの新しいアルバムが出た。
めちゃくちゃ良いアルバム!ほんと~~~にすごいバンドだ。大好きだ!
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最後の1分が本当にすごい。初めて聴いた時に嬉しすぎて、ちょっと泣きながら部屋の中で踊った。この疾走感よ!
「だいたい大丈夫 すり減っても 再生するソール 転んでも全然いける 余裕でいける 奇跡はもう起きてる」
歌詞も最高!
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