公式で日本語ローカライズされたのでPC版を購入。
一通り遊び終えたけど、なかなか良い体験が出来る面白いゲームだと思う。
以下ネタバレを含む
以下気に入ったこと、気になったこと列挙
・UNDERTALEは演出のゲーム
参考にされたMOTHERシリーズと同じく、すごく演出力に優れたゲームだね。
キャラクターの一言一言やワンシーンごとの記憶がしっかり残る。
「この演出に対して人はどういう反応をするんだろう?」と思って、ものすごく色んなプレイ実況動画を見てまわったからね。
Nルートの強制シャットダウンのところとか、PルートラスボスのSAVEとかは特に気になるところだね。
・素晴らしい楽曲
もともと前から音楽が良いゲームだということは知っていて、購入して遊ぶ前にリミックスを漁るぐらい聴いていたんだけど、ゲームプレイと一緒になるとより良かった。
ここまで楽曲が雰囲気や演出にマッチしてクオリティの高いゲームもなかなか無いんじゃないかな。
どれも素晴らしいんだけど、中でも好きなのはSnowdin系(中でもShop)、Spider Danceかな。
・今回購入した理由は公式で日本語がサポートされたから
曲が良いのは知っているし、評判も良い、どうやらMOTHERをリスペクトしていてプレイ前のネタバレ厳禁、となれば確実にストーリーが良いだろう と予想していたので、
もしMOTHER的な会話があるのなら、ニュアンスをちゃんと伝えてくれる可能性の高い公式を待ったほうがいいかな という判断で2年待った感じである。
公式日本語化はちゃんと作者が監修してるようだし。
で、公式は既プレイの人には違和感があるようで賛否両論みたいだけど、これは多分逆に今から非公式日本語バージョンを自分が遊んだら微妙に感じるのと同じな気がするね。
実際動画を見てみたら非公式バージョンはパピルスの口調が軍人っぽくて、別キャラのようだった。公式バージョンはもっと普段から幼い印象だね。
まあどっちが良いとかは分からないので、本来の英語で伝えたいニュアンスがブレてなければオッケーなんじゃないかな。
・周回プレイがちょっとツラい
UNDERTALEは周回を前提としたゲームデザインになっていて、2周目3周目と遊ぶほどに新しい発見や変化が盛りだくさん…ではあるんだけど、個人的にはちょっとかったるくなってしまった。
1周も短いんだけどね。慣れたら3~4時間ぐらいで終わるんだけど、周回はウトウトしながら消化、という感じになってしまった。
・恐怖演出
演出が優れたゲームだけど、恐怖演出が特に上手い。
耐性が無い人はプレイ続行不可能かもってぐらい、しっかり恐怖心を煽るので驚いた。
感覚的にはドラクエの「おきのどくですが」や、2000年頃の「深夜に不意に踏むブラウザクラッシャー」に近い感じだね。
強制シャットダウンや、Gルートのウィンドウ移動はPS4版だとどういう処理になるか気になるね。
・登場キャラクターが良い
このゲームのコンセプトでもあったと思うんだけど、全てのキャラが印象的になるように作られている。非常に人間くさく、良いやつばかりである。
パピルスなんかは最初アホでうるさい、魅力的じゃない奴という第一印象だったんだけど、クリアした今となっては大好きになってるもんね。
全部が伏線、と言うのはちょっと乱暴だけど、無駄な描写だらけに見えて無駄にしていないのがすごい。
・PルートラスボスのSAVEのくだり
自分でプレイしている時はそうでも無かったんだけど、クリアしてちゃんと物語の流れや設定を補完して整理してからプレイ動画を見ていたらけっこう泣けるなこの場面。
アンダインの笑顔はちょっと反則である。
予想できるしベタベタな展開なんだけど、素直に感動演出を受け入れられたのはそれまでの演出力の高さと、キャラクター作りの緻密さの積み重ねのおかげだね。
・フリスクとキャラ
フリスクはしゃべらないし表情も変えない、背景や設定などがほとんど語られないのもあって「プレイヤーの分身」と捉えて遊んでいたんだけど、Pルートで明かされる「最初に名前を付けた人物はフリスクではなく最初の人間だった」 という設定がちょっと混乱させられる。
最初の人間はプレイヤーが知らない過去があって、明確な意思を持ってゲーム中に登場するし他のアンダインやアズゴアみたいな登場人物と同じく勝手に動くのでプレイヤーの分身には成り得ないんだよね。そんな人物にプレイヤーが名前を付ける意味はあったんだろうか?
この問題はまだ整理が出来てなくて、自分の中でも答えが出ていないので何とも言えない。
・戦闘システム
東方に影響を受けたということで、戦闘は弾除けになる。一部マリオっぽくなったりもするけど。
そういえば曲もちょっとだけ東方っぽいモノがあったりしたね。アンダインの戦闘曲は両方ともそれっぽい。
で、この戦闘システムはプレイ感としては新鮮さはあるものの特別面白いものでは無い。だけどキャラの心情や状況や設定を表現するのにとてつもない貢献がある。
RPGは四角い枠の中で全てが語られることが多いんだけど、それを踏襲しながらもある意味で枠に収まらない、すごい発想だと思ったね。
・遊び尽くした後、スッキリしたい
一般的にNルート→Pルート→Gルート→Pルート で大筋としては一通り遊んだと言えると思うんだけど、これだと最後キャラがウヒヒヒヒ!!!か、集合赤バツENDなんだよね。N→G→Pの3周で収めても結局ウヒヒヒヒなので、非常に収まりが悪い。
そもそもG経由のPルートをバッドとしない解釈ならそれで物語は完結、めでたしめでたし で良いんだけど、自分は描写の通りにバッドエンドだと思っている。
そうなるとスッキリ出来ないんだよね。まあこの締め方だからこそプレイヤー同士の交流や様々な解釈が生まれるんだろうけど。
ゲーム内だけで全て説明して、完結しちゃうのはある意味でもったいないからね。
まあそれはともかく、読後感じゃないけどプレイ後感は重視したいわけよね。
ここは自分の好みと合わなかった部分で、ちょっと残念な部分でもある。
ということで、全体としては非常に面白いゲームだった。
怖いシーンが多いので完全に万人向けってわけじゃないんだけど、色んな人に遊んでみて欲しい作品だね。